それはもらったみかんからはじまった
うっ、熟れすぎ・・・
かれこれ10年近くまえになるでしょうか。
あるじたちが友人宅にお呼ばれし、カレーパーティをしてもらったあとのこと。
帰りぎわ、
「これわたしお気に入りのみかんなの!
とっても甘くて美味しいからおすそ分け!
すんご~く美味しいから早く食べてね!」
と、みかんを4つほど頂戴して帰ってきた。
そして、袋から取り出したあるじたちは驚いた。
「こっ、これはっ~!!
うっ、熟れすぎ・・」
そして、食べてびっくり、
「そりゃ~甘いでしょ、こんだけ熟れてたら!
っていうか、数日まちがえたら、お腹こわす甘さやん・・」と。
(いただいて帰ってきたにもかかわらずひどい言い草である)
ベランダーへの一歩
ただ、キノコ隊長は思った。
「こんだけ熟れているだから、タネにもそうとう栄養が届いているはず・・
ということは植えれば、しっかり育つのではないか??」と。
実際、タネを蒔いたら、数日後に発芽。
5年ほど鉢植えで育てていたものの、東日本大震災時にあまり相手をしてあげられず枯れてしまったとのこと。
これは、プクタロウたちがあるじたちのもとにやってくる前のお話。
ただ、この経験をきっかけにキノコ隊長は、世に言う「ベランダー」への道を歩み始めていたのだという。
実生とは・・・
そもそも実生ってなに?
さて、キノコ隊長が行った、タネを蒔いて植物を育てることを「実生」という。
(なにげにプクタロウは博識なのである)
植物を育てんだからすべてがそういうもんじゃないのか?
と思われるかもしれませんが、そうではありません。
実際は、挿し木や接ぎ木、株分けで繁殖して苗をつくっていることだって多いわけです。
典型的なものが、ソメイヨシノや八重やまぶきで、こんな和歌もあります。
ななえやえ 花は咲けども やまぶきの
実のひとつだに なきぞ悲しき (兼明親王)
これは八重山吹を歌ったものですが、日本人は昔からよく植物を愛でていたのですねということが伺える和歌なのです。
(プクタロウは博識ですから!)
歌意の詳細な解説はほかの方にお願いするにして・・
八重やまぶきが花は咲くけれども実をつけることがないことを、巧みな掛け言葉のもとに表現された歌ですよね。
なんでも遣隋使か遣唐使にもたらされたやまぶきを、在来種などとかけあわせて八重咲きの園芸品種にしたのが八重やまぶきなのだとか。
そのためタネは取れず、地下茎や挿し木、接ぎ木で苗を増やしていく品種なのですね。
因みに先の歌、太田道灌(江戸の開拓・干拓で有名な武将)を勤勉に変えたらしいエピソードに登場するのだけれど、その話はおいおい・・
(プクタロウは博識ですけど・・)
苗木がなくてもはじめられます
話をもどして、実生です。
狭義で云えば、スプラウトのことを指すのでしょうが、
広義ではタネから育てた植物とその育成方法を実生と呼ぶのですね。
まぁ、盆栽をする人からすると、手軽に小さく育てるには実生から始めると取っ掛かりに良いみたい。
うちの「ベランダー」であるキノコ隊長は、ベランダ狭いし、大きく育てたくないしで盆栽感覚で実生を楽しんでいるみたいです。
そんなわけで苗木などを買う気はあまりないらしい。
食べたら植えろ!
これまでの実績?
わが家の「ベランダー」であるキノコ隊長であるが、「これ育つかな?」で植えはじめます。
たくさんではないけど、それなりに育てているみたいです。
因みに、現在の育成状況は次のようになります。
(1)巨峰
・実家からもらった巨峰
・ひとつだけスチューベンかも・・
(2)はっさく
・あるじが営業マン時代に行った居酒屋のオヤジにもらった
(3)レモン
・生協で注文した国産レモン
(4)柿
・もらいものの柿
(5)金星(リンゴ)か二十一世紀(ナシ)
・知人に送ってもらった青森産のリンゴか山形のナシ
(同じタイミングで植えて、どっちか不明になってしまった)
(6)かぼす
・あるじが営業マン時代に丸亀製麺についてきたカボス
(7)アボカド
・近所の西友で買ったアボカド
失敗も当然ありますよ
当然、すべて順調なわけではなく上手く育てられていないものもある。
例えば、
・栗
・桃
・みかん(きっかけとなったやつ)
・アボカド
などである。
桃に至っては、発芽すらさせられていない。
冬を越す環境を整えてから育てることそのものができていないのであった。
とりあえず隊長が実践しているのは、
「食べたら植えろ!」
で、単に面白がっているだけなのかもしれない。
だからなのか、たまの水やりくらいしか、緑たちの相手はしていないように思う。
それでも思いのほか、タネは発芽し柑橘類などはかなりの確率で育っていきます。
実際にやってみると家の中のアクセントにもなったり、ちょっとしたグリーンオアシスができたりで楽しみは増えるものかと。
なので、興味をもった人は、食べたら植えろ!を実践してみると良いかもしれませんね。
ただし、キノコ隊長からのお願いです。
個人的に食べたくだもののタネを植えて、個人の鑑賞の範囲で実生を楽しむのは問題ありません。
しかし、それを苗木にして販売したりしたら法を犯すことになりますので、注意してくださいね。
また、海外で食べたフルーツや野菜のタネを美味しかったからといって国内には持ち込まないでくださいまし。
場合によっては、検疫にひっかかることもありますのでチャレンジしちゃダメですよ。
実は、まだ、実をつけたことがない・・
理由は手をかけていないから当然だね
いろいろと考え、実生を楽しんでいるわがあるじ。
残念ながら、何年も育てている植物があるにもかかわらず、実生から花を咲かせたことがない。
ということは当然のことだが、実をつけたことがない・・
実をつけていない理由はわかっていて、
①基本、あまり手をかけていないことをモットーに実践している
②あたりまえのように栄養も与えていない
③病気だとわかっていても自らの治癒力に委ねる
④小さく育てたいので植え替えもあまりしない
⑤そもそも実生で実をつけるのは大変
というか、ひとことで言えば「ほぼほぼ放置プレイ」なのである。
状況からすれば実をつけるまでに至らないのは当たり前。
しかし、7年ものの鉢もあるので、流石に花を見たいと思っているらしい。
最近になって、病気・害虫への対策と、アンプル肥料くらいはあたえるべきかと考えているらしい。
まぁ、これからすべてではないけれど、それぞれの植物について思いついたときに記録していきますね。